悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

日々のこと

2022/07/08

7時10に起きた。目覚めが悪い。曇っていると、たいてい目覚めが悪い。ような気がするけど、本当のところはわからない。毎日目覚めが悪いのに、曇っている日だけ、ああ曇っているからだと思っている可能性もありそうだ。曇っているといっても薄曇りで、暑くな…

2022/07/02

字が読みにくい気がする、と思ったらチカチカと視界がぼやけるというか、妙な感じがした。 先日、会社の健康診断のさいにレントゲンでひっかかり、大きい病院へ行ったところ、ナントカという聞きなれない肺のリンパが腫れる病気かもしれないと言われた。難病…

2022/06/18

大江健三郎『美しいアナベル・リイ』で、登場人物のサクラさんは「私」の書いた新潮文庫版『ロリータ』の解説を契機のひとつとする。大江健三郎は実際に『ロリータ』の解説を書いていて、私はそのことを知らなかったので、つまり『美しいアナベル・リイ』を…

2022/06/15

尾崎一雄「赤城行」を読む。 会社の昼休みのこと。なにか読もうとkindleアプリで本を開いたり閉じたりしていたら、先日車で群馬へ出かけたからか、赤城という字が目にとまった。 私は群馬といっても伊香保に出かけた。だから赤城とは別になんの関係もないと…

2022/06/09

病院へ行く。歩いて行こうと思ったが、家から出て歩き始めたら突然面倒に思えてきたので、電車で行く。途中で図書館により、借りていた本を返す。堀江敏幸と村田沙耶香のエッセイを借りる。新刊コーナーにフリオ・リャマサーレスの短編集があったのでパラパ…

2022/06/07

風呂からでると暑く感じる。この熱を冷まさないととてもじゃないが寝られる気がしない。暑くなってくるとそういう日が増える。真夏というような時期になると冷房をつけることにためらいがなくなるから、梅雨前くらいがもっともそのような日が多い。今からエ…

2022/06/02

少し前のこと。最強どん兵衛というのがあるらしいときいてコンビニへ行ったが売っていなかった。私はカップ麺のなかでは、どん兵衛のそばがいちばん好きだ。いや、緑のたぬきかもしれない。中学生のころ、部活を引退して早く家に帰るようになるとなんだか空…

小声で書く

細字のペンにはまっている。手帳(というかメモというかノートというか)の紙面に神経質な字を書いている。先日もsarasa nanoという0.3ミリのボールペンを買った。グレー色。平日の昼間だというのにロフトが異様な数の中高生に埋め尽くされており、たまたま…

2022/02/24

先日のこと。ふらふら池袋駅あたりから新宿駅方面に歩いていた。池袋駅を出て、ジュンク堂の方へ向かう。そのまま明治通りを下ると『往来座』という古本屋がある。ちょっと覗いて見ようかと思ったが、閉まっていた。入りかけて、入口に「準備中」とあり、さ…

2022/02/18

ドナルド・クローヴァー主演のドラマ『アトランタ』の新シリーズがはじまるらしい。huluで配信されるのだろうか。まだ詳しいことはよく知らないけど。huluは未加入なので、だとすれば余計な出費が増えてしまう。『アトランタ』はすごく良いドラマだ。とても…

2022/02/14

昨晩雪が降った。お昼くらいから雨が降りはじめ、ずっと雨だったけど寝る前にカーテンを開けてみると、いつの間にか雪になっていた。朝起きるとすでに止んでいて積もるほどではなかった。道の端、車や屋根の上などにはわずかに残っていた。すでに溶け始めて…

2022/02/11

午前中に予定を終えると気持ちが良い。まだお昼前か、と嬉しくなる。 すでに一つの予定を完遂しているので、その後ダラダラしてしまっても、罪悪感がない。 だから予定は午前中に入れるべきだ。しかし、私にはあまり予定がない。美容室へ行ったりするくらい…

2022/02/02

味噌汁をこぼしてしまった。敷居のところが濡れてしまい、拭いたけれど、湿ったせいか引き戸の締まりが悪くなった。夕飯を食べ終えて温かいお茶でも飲みながら、本でも読もうと思い、黒豆茶を淹れた。ティーバッグを取り出そうとした時、お茶をこぼしてしま…

野村の舌

この前の休日のこと。ふいに牛丼を食べたくなった。めったにないことだ。歩いていける距離に松屋があったことを思い出し、昼食は松屋にした。松屋はまったくなじみのない注文システムになっていた。店内に入ると席につき、タッチパネルで注文する。しばらく…

年末年始のこと

年末年始は実家で「孤独のグルメ」を観ているうちに過ぎてしまった。父などは年末に「孤独のグルメ」をみることに、いくらか恒例行事感をおぼえているらしく、そのように言われると途端にシラケる気がしないでもない。 年末に「孤独のグルメ」をみることの良…

雨が降っていたので暗かった

雨が降っていたので暗かった 朝、目が覚めるとあたりは暗く、まだ夜中なんじゃないかと思ったが朝だった。雨が降っていたので暗かったのだ。朝に雨が降るのは久しぶりに感じた。この時期は雨が降っていると、起きる時間でもまだ暗い。陽の光を浴びないと目覚…

クレープ屋をみつける

晴れていたので歩いていたらクレープ屋をみつけた。クレープはいつでも食べたい。生クリームとチョコだけのやつが好き。生地はあまりパリパリしてない方が好き。冷たい風に身を凝らせて薄く丸く伸ばされるクレープを眺める。両手で受けとるとそれは陽に似た…

フクロウをみた

辺鄙なところで育った。明け方になると、鳥の鳴き声で目が覚めた。持久走がある日はとても嫌でいつもより早く目が覚めてしまった。耳を澄ませても鳥の声がしない。雨が降っているからに違いない、と期待して雨戸を開けると晴れているということが何度もあっ…

2021/08/22

この話をするためにはまずその前提の誤解を解かなくてはと思っているうちに話はどんどん進んでいき、進めば進むほど誤解は絡まりあって、もはや意思の疎通など不可能ではないかと絶望していると、相手はいつのまにか満足した様子で、じゃあまかせたよなどと…

2021/04/08

朝起きるたびに疲れを感じる。この先ずっと私は疲れはてたままなのかもしれないと想像するとぎょっとしてしまい、その弾みでどうにか蒲団から抜け出す。眠りが浅いのかもしれない。寝つきも悪いような気がしないでもない。「疲れすぎて寝れない夜のために」…

2021/04/02

川本三郎『郊外の文学誌』を読んでいたらこんな文章があった。 東京は変わり続けていることが常態となった、世界でも珍しい都市である。東京に生まれた人間で、大人になってもなお生まれた家と同じ家に住んでいるという例は、きわめて少ないのではないか。東…

2021/03/22

ビルの影にはいるととたんに寒い。猫がすばやく通りぬける。誰かが非常階段を降りる音がする。物語はあちこちに身をひそめているという説もある。彼はそれを信じて細いダクトをたどって消えてしまったが、行方はいまだ知れない。私はといえば、身を縮めて日…

2021/03/16

kid frecinoとC.O.S.Aの「LOVE」が好き。帰り道にSpotifyのプレイリストから流れてきた。〈干渉と言わずに互いを理解する〉という歌詞をずっと〈感傷と言わずに互いに理解する〉だと思っていた。感傷という言葉のきめの粗さに満足せず、歩み寄ることかと思っ…

2021/02/27

風が強めに吹いて、みんなさみしいことだろう。いや、あんがいそうでもないのかも。家に帰って暖かいお湯で手を洗うと、暖かいってサイコー、全身で浸かりたい! と思うのだけど、いざお風呂に入るとなるとすごく面倒に思えてくる。床でごろごろしていると、…

2021/02/14

このところ、暖かい日も増えてきてうれしい。線路沿いでは梅が咲いていた。*Sはぜんぜん本を読まないけど読みたい人で、たびたび本を読めないと嘆いている。いったいなにをもって読めないなどと言っているのかと聞くと、文字を追いながらぜんぜん違うことを…

2021/01/24

徒歩でいける幻想 いつのまにか迷い込んでいたい。境界をこえたのはいつだったか、振り返ってもわからない、徒歩でいける幻想。飛躍はない。よたよたと俯いて歩いていたらたどり着いていた。そんな気分が良い。宮沢章夫の『サーチエンジンシステムクラッシュ…

2020/10/30

風が冷たい。昨日、夜の7時頃、駅のホームに立っていて、風が冷たいと感じた。今日も冷たい。これは冬の風かもしれないと思う。木枯らし1号とか、冬将軍とかは冬の風のことだろうか。そういえば、ニュースでそれらの言葉を聞いたような気もする。昨日か一昨…

2020/10/26

寒くなってきたかと思うと、そうでもなく、夏の名残があったりする。とはいえ朝晩は寒い。慣れないせいか、いまの時期かいちばん寒く感じる。もうしばらくしたら、いくらか慣れるだろうか。寒いとなにもしたくなくなるので、いまのうちに冬のたのしみを用意…

2020/04/16

4月1日。お昼休みにタバコを吸いにいくと、ふだん吸っていたところの灰皿が撤去されていた。隣のスーパーからも消えているし、向かいの飲食店には「全面禁煙」と書かれたのぼりがみえる。もはや部署内でも最後の喫煙者となっており、不屈の覚悟であったけど…

2020/03/26

寒さも遠ざかりつつある。冬の冷たい風は、胸郭を開かせる。背中とお腹のあいだに空白を感じる。湿った風は体にぶつかる、と春の印象をさきどる。日々はいらいらすることが多い。天気の話は、それらから遠ざかりたいという身振りでもあるけれど、天気の話を…