語りつくせぬ青春の日々
語ろう、という人がいる。
徹夜で飲み語らう。
みたいな。
わたしはそんな経験ないのでイメージがぜんぜんわかない。討幕の志士たちが夜な夜な語り合っていたことのほうがまだ想像し易いくらいだ。わたしと同じように誰とも語り合ったりしたことのない人に、語ろうってなんなんだろうねって聞くと、すごくつまらないに違いないよ、と言っていたけどそんなはずない。たびたび語りあったり語り合おうとしている人をみかけるのだから、それは楽しいに違いない。楽しいことを知らないわたしや彼は悲しい。なにより、わたしと彼が、じゃあわたしたちで語ろうとならないのが悲しい。わたしたちはびゅーんとすれ違ってさよなら。さよならして、みんなが語らっている頃わたしがなにをしているのかといえば寝ている。とても健康的だ。夜を徹して語るなんて不健康だろうから、同年代で語っている彼らと語らないわたしとではわたしの方が長生きするだろうな。
わたしみたいな語らない人ばかりが長生きして、公園で黙々ともくもくたばこを吸ってるおじいちゃんやおばあちゃんがあちこちで寂しい顔して座っているんだろう。