悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

人にやさしく

なるべく人に対して優しく接したいものだと思う。

そうすればわたしみたいな唐変木のおバカさんでも仲間に入れてもらえるんじゃないかな。とはいえ面と向かって人と接する機会もあまりないので、車で走っているときに横入りしてきた車に対しておおらかな気持ちで入れてあげるとか、ゴミはちゃんと分別して捨てるとか、それくらいしか思いつかない。けどまあ気を落とさずに今日一日をそのように過ごすことができれば、良い事をしたじゃないかと自分自身を慰めるための材料くらいにはなるだろうか。

世の中にはただただ「良い人」というのがいて、わたしたちが輪から外れてしまっておろおろしていると、気づいてくれて「彼も仲間に入れてあげよう」とか言ってくれる人がいるのだけど、わたしたちは輪の中にいる「良い人」以外の浮かない顔に気づかずにはいられない。にもかかわらず、とぼけた顔をして卑屈な笑みを浮かべたままいそいそと輪に加わろうとするわたしたちはなんと惨めなことだろう。そんな経験があるだけで、十分な罪を背負ってしまったという気がしてならない。