悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

日記

2019/01/28

仕事。

サボっていることについて、上司がいくらか気にかけているかもしれない。怒っているとか、そのことを理由に脅かしてやろうとかいうのではなく、わたしと上司とさらにその上司との微妙な関係性のなかでの微妙な気にされかたといえばいいか。

夏目漱石『行人』を読み終える。
二郎たちは兄の気分を回復させるために兄を旅行へ行かせようとする。しかし、直接言ったんでは聞かないので、兄の友人のH氏に兄を旅行へ連れ出してもらうようお願いする。このお願いは回りくどくて、二郎はH氏を直接しらないために三沢を通じてH氏に依頼をする。H氏はどうにか兄を旅行を連れ出す。この間、二郎は三沢から女を紹介してもらうが、兄が気がかりでそれどころではない。二郎はH氏に兄の様子を手紙に書いて送るようお願いをし、H氏はしぶしぶ承諾する。H氏から手紙が届き、長い手紙の内容で小説は終わる。
兄と嫂の夫婦はうまくいっていない。冒頭で大阪に住む二郎の遠縁である岡田夫婦が出てきてこちらは楽しそうな結婚生活を送っており、対照的なのだけど、両夫婦の違いはとくになにか書かれるわけではない。兄については夫婦というよりも兄自身の問題のように思える。この兄自身の問題というのが、いまいちピントこない。ピントこないというか、インテリでないものの意地とでもいうべき妙な感情が共感してなるものかと思わせるのかもしれない。
 
今晩は、マジックリアリズムと意識の流れってことばを使った人から殺されるゲームが裏路地でひっそりと行われている夜。殺人はつつましく偏執的だ。
 
 

2019/01/29

仕事。寒い。ホントに寒い。
帰宅後なにをしていたのかわからないまま時間が過ぎる。
なんとなくちかごろ小説をたのしく読めている気がして、テンションが上がっていたのだけど、よくよく考えてみるとぜんぜん読んでいないようでもある。
 
本日も夏目漱石『満韓ところどころ』をぱらぱらと読んだだけだ。
『満韓ところどころ』は夏目漱石満州や韓国へ行った話。旅行記ということか。出てくる友人だとかが満鉄の総統だったりして漱石というのはエリートなのだということをあらためて思う。
現地の人へ漱石が向ける目線などにはちょっと時間の隔たりを感じたりする。すき焼きなど美味しい食べ物を食べに連れてってもらうものの漱石は胃の調子が悪くてあまり楽しめず可愛そう。
 
 

2019/01/30

仕事。
業務中はモヤモヤした気分で、どうしようもなかったけど気づけばどんどん時間は流れていたので良かった。良かった?
夏目漱石『思い出す事など』をすこし読む。
〈「思い出す事など」は忘れるから思い出すのである。〉とある。
忘れてしまったことも思い出せるのなら、知らないことだって思い出せるかもしれない。
 
修繕時の大患のときのことなどを書いたもので、とても良い。ここ最近、漱石をいくつか読み散らかしているけれど一番好きかもしれない。読んだ本のことを書いたりしている。ウィリアム・ジェイムズのことが書かれる。ウィリアム・ジェイムズヘンリー・ジェイムズの兄だ。ヘンリー・ジェイムズは『明暗』に影響与えているそうで、ねじの回転しか読んでいないのでぜひ読みたいところなのだけど、〈教授の兄弟にあたるヘンリーは、有名な小説家で、非常に難渋な文章を書く男である。〉と漱石が言うくらいなのでちょっとビビっちゃう。
 
ポン・ジュノほえる犬は噛まない』を観る。団地が舞台で団地を走るというのはすごくいい。団地は正面からミニマルな感じを撮るとほんとにはえる。
ラストの表情は含みをもたせているということか。
もう一本映画でも見ようと思ったけど、日記を書いて寝ることにする。疲れている。
 

2019/02/03

休み。
渋谷へ行く。帰りにパソコンを買う。3年くらいパソコンを持っていなかった。いや、壊れて動かないパソコンを持ってはいる。
パソコンを買ったテンションで、あんまり本は読めず。
夏目漱石『明暗』を少し読む。
 

2019/02/04

仕事。
とても暖かい1日だった。パソコンをぼんやり触っていたら、仕事終わりの時間もあっというまに過ぎてしまった。
夏目漱石『明暗』を少しだけ読む。
手書きでも書き始めた日記は順調につづいて良い。ブログに公開している日記を手書きの日記にたいするメタ日記的なものにするのはどうだろうと思いついたけど、註の書き方がうまくできないしいやな気分になってしまう。