悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

日記5/14~19

5/14

風邪を引いたよう。
目覚めると喉が痛くて、声を出すのが億劫。
ただ、人気のないところでこっそり歌を歌ってみると、しわがれていてカッコいいんじゃないだろか、と思う。
そういえば、自分の声が嫌いなのだった。まあ他にも嫌いなところはたくさんあるのだけど。近頃は見ず知らずの人と話す機会がないのですっかり忘れていた。

多和田葉子『尼僧とキューピッドの弓』は二部にわかれている。第一部は尼僧院長が駆け落ちしてしまった修道院に訪れた語り手によって修道院での出来事が書かれる。第二部になると、おそらく語り手によって書かれた小説(つまり第一部の文章)を駆け落ちした尼僧院長が読み、自身の来歴を語るという形式になっている。駆け落ちした尼僧院長は、


5/16

風邪がひどくて駄目。
あるいは飲んだ薬がよくなかったのかもしれない。
昨日は一日手足がだるくて、それが熱のせいなのか薬のせいなのか判別つかず。
ニコルソン・ベイカー『室温』を読む。良かった。こういう小説を肯定感のあるものとして読んでいるということは、自分が思っているよりはるかに体調は良いのかもしれない。

 

5/17

体調は良くなってきたような気もするけど、やる気が出ない。
高橋源一郎柴田元幸の『小説の読み方、書き方、訳し方』でブコウスキーがそれほどスラングを使っていないという話になり、柴田元幸が〈スラングというのは仲間内の通り言葉で、特的の小さな閉じた共同体のなかでしか使わないものですよね。ブコウスキーはどこの共同体にも属さないからスラングは使わない。友だちいないと
スラングって要らないんですよね(笑)〉と言っていた。
わたしも友だちがいないからスラングを知らない。

 

5/19

早起きしてボクシングを観る。
井上選手は次戦がドネア選手に決まる。西岡選手がドネア選手と試合をしたのがもう7年も前だということに驚く。

早起きしたせいで昼間はうとうとしてしまう。
フリオ・コルタサル『八面体』を読んだりする。
短編集で面白いものも、あったけど難しいものもあった。わたしが小説を読むとき、語り手に安全なものを勝手に前提としてしまっているせいかもしれない。