読書/日記
6/3
休み。
「まんパク」へ行く。
アンカースチームでいい気分。
入場券が800円で食べ物も安くないし、二時間しかいないのはもったいない気もしたが、良い気分なので良い気分。 良い気分ついでに、服を買い求める。 とてもいい一日だった。明日の朝になれば仕事があるなんて信じられない。 明日が来ないでほしいというのでなく、明日が来なくてもいいとでも言えばいいか。
室井佑月『熱帯植物園』 枡野浩一『かんたん短歌の作り方』を読む。 『かんたん短歌の作り方』はなぜだかすごく泣ける。 掲載されている短歌が良いのはもちろんなのだけど、枡野さんのひょうきんな文体をなぜだかじーんとくる。
6/4
仕事。
『世界一うつくしい植物園』という本の中には、22の国と地域にある40の植物園が紹介されている。 写真と短い紹介が載っていて、楽しい。 近頃の「熱帯植物園」への関心から手に取った一冊だったけど、熱帯植物園は「モナコ熱帯植物園」のひとつだけ。「熱帯」の植物園はいくつかある。パラパラと眺めているだけでも、植物園と一言に行ってもいろんな種類があることがわかる。前書きでは、〈環境保全のための自然生態園〉、〈特定の植物を集めた専門植物園〉、〈観光地として楽しめるアミューズメント型〉、〈テーマを掲げて運営するコンセプト型〉などといったふうに分けている。庭なのかドームなのかといった違いもありそうだ。 また、起源については以下のように語る。
植物園の前身となるのは、古代エジプトやギリシアの王族・貴族が珍しい植物を収集した荘園です。ただしこれは、特定の個人だけを対象にした空間であることに加え、植物を鑑賞し、楽しむためのもので、対象も目的も、植物園より狭義のものでした。その後中世ヨーロッパの一部の修道院で、医学の起源となる薬用植物学の研究を目的に薬草園が造られました。
娯楽と研究とでも言ったら良いだろうか。これはもしかしたら動物園なんかにも言えるかもしれない。
ひとつ驚いたのは、上記にもひいたように歴史が古いということだ。 取り上げられている40の植物園も古いものがある。
世界最古のものはイタリアにあるパドヴァ大学植物園。〈薬用植物の収集・栽培を目的として、1545年に創設されました。〉とある。
〈1585年に植えられたシュロが、その1本を守るためだけに建てられたヤシ温室のなかで大切に育てられている〉。しかもこのシュロは〈1786年に文学者ゲーテがこの木に感銘を受けたことから、「ゲーテの棕櫚」と呼ばれ〉ているという。
バドヴァ大学植物園は収集・栽培を目的にしたというが、他はどうか。いくつか開園の理由で気になったものをあげる。
まず真っ当そうな理由として「研究」などといった理由が目につく。
チェルシーフェジックガーデンは〈ロンドン市内にある歴史ある薬草園〉で、〈1673年に薬草の栽培と研究のため〉に造られた。グラスゴーボタニックガーデンは〈植物学の研究を目的としたきょういくしせつとして〉、〈1872年に設立され〉た。
「研究」は硬い印象だが、もっとテーマパーク的な趣のものもある。
スペインのルンブラクレは〈科学教育と芸術のための複合施設「芸術科学都市」のひとつであるだけに、植物もアートの一部としてとらえられるような、研究機関としての植物園というよりも、感覚的に楽しむ公園としての要素が強い空間〉。
イギリスのエデン・プロジェクト(楽園としての植物園!)は〈イングランド南西部の陶土採掘場跡地の再生プロジェクトとして「人間と植物の関わりを見直そう」というコンセプトのもと、2001年にオープン〉した。
〈ヨーロッパの名門王家であったハプスブルク家が、ヴェルサイユ宮殿に対抗し、夏の別荘として1696年に建てたシェーンブルン宮殿。〉などとちょっとユニークなものも。
ボゴール植物園は〈ボゴール宮殿に併設されている植物園です。東南アジアで最古の植物園であり、1817年に植民地政策の一環として、オランダが設立した植物園〉だそうで、呑気な理由ばかりでもないことがうかがえる。
全体として文章はあっさりしていて、やはり写真の魅力が大きい。
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