悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

2018-01-01から1年間の記事一覧

ソフトクリームソーダ

ユーモア 「あんまりにもユーモアがありすぎるせいでスベっちゃうんだ」と男は言った。わたしはあんまりにもユーモアがありすぎるせいでスベったりはしないと思った。 「ユーモアというのはある文脈を理解しないと意味がわからないことが多い。つまり普遍的…

読書日記

12/11 仕事。たいへん。 長谷川四郎「馬の微笑み」を読む。ソ連の煉瓦工場で働く話。語り手たちが働くのはしょぼい工場。〈若し「煉瓦製造技術発達史」というような本があるとすれば、その第一番目の挿絵に、この工場が出て来るように思われた。〉 ノルマは…

わたしのためにあなたに書いてほしい文章のこと

ほんとうはあなたのためにわたしが書きたい文章のこと、と書きたいところだったのだけど、そこで言われるあなたはぽっかりと空いた穴だしけっきょくのところわたしでもあるので、ならいっそのこと、わたしのためにあなたに書いてほしい文章のこと、とでもし…

暖かい公園で本など読みたい

市街戦の跡地を猫が歩いていた。わたしはそのことを人から聞かされて、市街戦の跡地とはどのようなところだろうかと思った。動画で見たことのあるヨーロッパの景色や幕末の様子が浮かんだ。それらの場所を歩く猫の姿はふさわしいようにもふさわしくないよう…

ぼくたちの日々とか

冗談ばかりで 楽しすぎて体の奥まで 甘えたりしてありえない夢を見て 日々が過ぎる 「ぼくたちの日々」/スガシカオ ぼくらの日々 そのころ、ぼく自身は最悪の気分だったのだけど、ぼくらとしては気分の良い日が続いていて、本を読んだり音楽をきいたり、と…

読書日記

2018/12/06 休み。と思いきや半日仕事。 千野帽子『読まず嫌い』をすこし読む。タイトルからして、読んでいない本についている話なのかと思った。わたしは本が好きな気でいるものの、実はあんまり読んでいないのでそのことを慰めてくれる本なんじゃないかと…

読書日記

2018-11-29 池袋の三省堂のアウトレットコーナーで草森紳一『本の読み方』を購入。同コーナーではじめて本を買ったと思う。 文庫コーナーにはリブロについての文庫本が平積みされていた。わたしの知っているリブロはもう別に求心力のあるころではなかったと…

期待と退屈の読書日記

2018/11/18 1 ホテルニューオータニへ行く。もちろん縁のない場所なので新鮮。庭園もうろうろする。低木の刈り込みが角までピッシリ綺麗で、どのくらいの時間をかけるのだろう。松はむしりすぎなんじゃないだろうかなどと思ってしまったが、そういうものなの…

読書日記

2018/11/12 仕事。起きるのがおっくう。週の始めからこんなんでいいのか。週の始めだからなのか。家に帰ってきてもやる気がでない。少しだけ本を読む。ブログは、まず日記を書いて何日分か溜まったら人にみせられないところ削ったりして公開しているのだけど…

メロウな日々への追憶と停滞

2018/11/06 三木卓『K』を読む。語り手である〈ぼく〉と妻であるKとの数々の出来事が書かれる。思い出される出来事の最中で〈ぼく〉が思ったことと、語っている時点での思いとのバランスがとても好み。過去の出来事を書きつつ、その時のKだけでなく〈ぼく〉…

読書日記じゃない日記

11/01 細長い雲がたぶん東西に伸びていて、珍しい感じがしたので写真に撮ろうと思ったけどやめて、ラジオを聴いていたらその雲のことを話していた。遠いところでもみえていたらしい。ネットでも話題になっていた。写真に撮るのをやめたのは、誰かに話すこと…

読書日記

2018/10/28 昨日は久しぶりに福生へ行く。イケてる店員がはいていたイケてるパンツを買う。タイ料理を食べる。バッティングセンターへも行く。マシーンから飛んでくるボールは毎回、上下左右ちょっとずつ違うところへたどり着くのに、バットを振る位置を変え…

読書日記

2018/10/20 仕事。どんな天気だったろうか。あまり外に出なかったのだとおもう。寒さは感じた。会社に鍵を忘れてしまいとりにもどる。栗原裕一郎/若田部昌澄『本当の経済の話をしよう』、北村太郎『ぼくの現代詩入門』を読む。 栗原裕一郎/若田部昌澄『本…

読書日記

2018/10/16 仕事の辛さを感じる一日。帰宅後、今村夏子『こちらあみ子』を読む。とても良い。三人称だけど、あみ子にとても近い視点で書かれている。あみ子が理解していないことを読み手はきっと想像することができる。けれども、文章では、あみ子が理解して…

読書日記

2018/10/14 本日は新宿へ。チャイナムーン。 新宿のブックオフで本を数冊購入。模索舎へ行くも開店時間を間違える。 高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』を読む。北村太郎『ぼくの女性詩人ノート』もすこし読む。 『さようなら、ギャングたち』を読むの…

読書日記

2018/10/09 仕事。たいへん忙しい。病気でひとり辞めることになり、その分の仕事が降りそそぐことになった。今日や明日、まあ明後日くらいはたぶん大丈夫。その次の日くらいから暗い気分になりそう。しばらくサボりもせず働いているので、仕事中に必死に働く…

読書日記

2018/10/08 7日は鎌倉へ行く。キャラウェイでカレーを食べる。二年ぶりくらい。開店の30分ほど前に並ぶも結局一時間くらい待つ。その後、古本屋を二軒周ってから逗子へ移動し神奈川近代美術館へ。逗子から乗ったバスが混んでいて、みんな美術館へ行くのだろ…

読書日記

2018/10/05 仕事。朝から曇っていて昼過ぎから雨が降る。粒の細かい、逃げようのない雨だった。 多和田葉子『文字移植』を少し読む。 これも言わなくてよかったと思った時にはもう遅かった 。わたしは何も話したいことがないと言葉数が増えて無駄なことばか…

読書日記

その日 A・ A・ミルン(石井桃子訳)『クマのプーさん』を読む。 「コブタ。」と、ウサギは、えんぴつをとりだして、そのさきをなめながら、いいました。「きみは、ちっとも勇気がないんだな。」「でも、とっても小さい動物になってみたまえ。」コブタは、か…

読書日記

その日 西尾勝彦の詩集『歩きながらはじまること』を少しづつ読んでいる。やさしいことばで書かれていて、筋もあるのでわたしでも楽しい。 「ならまちの古本屋」という作品は古本屋に行ったことが、行分けで書かれている。淡々として、古本屋の場所が語られ…

読書日記じゃない日記

その日 昨晩は台風が近づいていて、風の音がうるさく、眠れなかった。職場へ行くと、木が折れ、倉庫がひっくり返っていた。そのために一日を費やす。『現代詩文庫44 三木卓詩集』、ミルン『クマのプーさん』を少しづつ読む。 先日、犬の散歩をしながら、チャ…

読書日記

09/26 仕事が多い。うんざり。雨が降っていた。仕事が多くて、うんざり、という話を電話ですると、電話相手の友達は凄いブラック企業に勤めていてもっとうんざりするような事をさせられているのだという。 冬川智子のマンガ『水曜日』を読む。 女子高生の日…

読書日記

09/20 雨が降る。気圧が低いのだと思う。体調が悪いような気がする。基本的にいつも仕事に行く前は体調が悪い気もするけど、気圧は引くようだから気圧のせいにする。自分を責めて憂鬱な気分になるのも辛いので、なにかのせいにしたいことは多いのだけど、あ…

読書日記

2018/09/15 高校の友達(唯一の!)から電話が掛かってきて矢沢永吉のライブに行くので、テレビに映るだろうから見るようにと言うので来たので仕事から帰ってくると晩御飯を食べながら観ていたのだけどちっとも映らなかった。五万人(そんなにいるか知らない…

夜歩く

その日 夜歩く、というのは良い。ディクスン・カーと横溝正史の小説にそういうタイトルのものがあったと思う。はやみねかおるに「踊る夜行怪人」というタイトルの本があって、夜歩くを連想する。中身と関係なく、夜歩くという言葉が良いと思う。 夜歩いてい…

読書日記じゃない日記

陽がゆっくりと沈んでいくことに気がつかないまま、いつのまにか夜になっていた。ある瞬間を感じ取ることができない私はいつでも、思い出すことで存在しない瞬間を彩りのあるものとして偽っているのではないだろうか。 あるいは写真。外苑の歩道でピースサイ…

正確さとは別方向へのメモ

本を読むこと 本を読んでいるときに、本を読んでいないときがある。目線は文字を追っているのに、別のことを考えているような。そんなときは、読んでいる本に重要性を感じていたならば、目線を戻して再度読むだろうし、場合によってはそのまま読み進めるだろ…

読書日記

7/22 ジェイン・オースティ『高慢と偏見』(中野康司訳)を読んだ。 末娘のリディアの駆け落ち騒動からの展開はもうたまらないという感じで、ハッピーエンドの予感で満ちている。姉妹物?といえば『細雪』が思いうかぶのだけど、『細雪』は衣服の描写がとて…

読書日記じゃない日記

7/26 ここ数日で何度か飲み会があり、憂鬱。お酒の席じたいは嫌いじゃないのだけど、飲み会は好きじゃない。〈仲間を集めて 愚痴を並べて そんな身の上を酒で流すような真似〉が好きじゃないのかもしれない。たしかに職場の人で集まってその場にいない人の…

読書日記

7/9 休みの日に『正しい日間違えた日』を観ました。ある一日を二つのパターンで描いた映画。ホン・サンスの映画に出てくる距離といえば「カンウォンドの恋」が好きなのだけど、今作の距離もとても好きなものでした。同一と思われる一日を二度繰り返し、出来…