悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

わたしのためにあなたに書いてほしい文章のこと

ほんとうはあなたのためにわたしが書きたい文章のこと、と書きたいところだったのだけど、そこで言われるあなたはぽっかりと空いた穴だしけっきょくのところわたしでもあるので、ならいっそのこと、わたしのためにあなたに書いてほしい文章のこと、とでもしてみたらどうだろう、と思った次第です。 

 

(と以上は与太でして、本題はぜひわたしのためにあなたに文章を書いてほしいということで、あまり耳にしない種類のお願いのような気もしますから、だとすれば不遜であるとか傲慢であるということもないでしょうと、無知をよそおいつつ大真面目に言ってみたい気もします。と、この段落はカッコに入れるとしまして、以下与太の続きです。) 


分量のこと。

400字くらいが良いと思います。もっと少なくてもいいはずです。行きと帰りの電車で一度ずつ入念に読むことが出来ます。なんと寝る前にも読むことが出来ます。 


形式のこと。

わたしたちが文章を大事にするためにはタイトルが必要かもしれません。400字すべてを暗記するには多少の根気がいりますがタイトルであれば暗記できる可能性は高くります。タイトルは文章全体のイメージとなります。そしてキャンディーみたいに、厳しい峠を踏破しなくてはならないときにこっそりと口にふくんで楽しむことができます。 


内容のこと。

あまり難しいことだと理解できなくなってしまい、それは申し訳ないことなので、ささやかな日常のことなどが良いのではないかと思います。例えばアイロンのかけ方とか。ただ、400字では根拠を示すことが難しいように思いますので、全日本アイロンのかけ方協議会(というものがあるのかどうか知りませんが)が推奨する正しいアイロンかけ方についての文章よりはあなたのアイロンのかけ方のようなものがちょうどいいように思います。日々のアイロンがけについて書くことは、昨日もおとといも同じようにアイロンがけをしたのであって、なんでそんな風にアイロンをかけるの、という質問よりも前にこうやってるんだからこうなのだ、という楽観的な良さがあるように思います。