悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

2018-01-01から1年間の記事一覧

読書/日記

その日 仕事。晴れていたり雨が降ったりした。来週と、来月に二度。休日出勤することになった。ただそれだけのことで、ダウナーになる。傷つきやすいぼくら、みたいなことばは甘くて、好きなのだけど、実際それじゃあ困るよな、と思う。深沢七郎「庶民列伝」…

語りつくせぬ青春の日々

語ろう、という人がいる。徹夜で飲み語らう。みたいな。わたしはそんな経験ないのでイメージがぜんぜんわかない。討幕の志士たちが夜な夜な語り合っていたことのほうがまだ想像し易いくらいだ。わたしと同じように誰とも語り合ったりしたことのない人に、語…

読書/日記

その日。 仕事。 終業後、前職の人たちと呑みにいく。ビアー。ビアー。みずわり、みずわり、みずわり、みずわり、みずわり、げろげろ、みず、みずわり、みず。 その日。 休み。 こたつで寝ていた。ずるっと、こたつの底が開いて、ずるずるっと落ちそうになる…

散歩

道を歩いていると、木があった。梅だろうか(梅の枝はぐんぐん伸びるので、ばりばり剪定しなくてはならない)。私の身長よりも低くて、枯れているのか丸裸だった。幹から何本か枝が伸びていてそのなかの一本の先端に手袋がささっていた。ささっていたというよ…

読書/日記

その日 仕事。死ぬほど退屈。ちょっと死んだ気がする。右手の薬指だけ、というのではなく、からだが5パーセント透けるみたいな。「群像特別編集 大江健三郎」によると、「日常生活の冒険」は1963年2月から1964年2月まで文学界に連載だった。「個…

ことばはホウキ星/井坂洋子

その日 井坂洋子の「ことばはホウキ星」を読んだ。詩の入門書らしい。ささいな出来事から詩作品につなげていって門外漢でも楽しく読めた。吉岡実の「静物」についてなど、簡単に書いているけど、とても納得。印象的な部分をいくつか引いてみたい。一つ目は中…

夢/棒を飛ぶやつ

竹がある。2m弱くらいの長さに切ってあって、二本ある。端っこを右手で握る。左手でもう一本の端っこも握る。反対側の端っこを別の人が同じように握る。二人は担架を持っているような格好になる。腰をかがめるなり、しゃがむなりして、二本の竹が地面に触れ…

読書/日記

その日仕事。 仕事が終わってから、都内に遊びに出掛けた。とはいってもなにかをしたわけではなく、ただラーメンを食べて、喫茶店で本を読んだ。週末の街はたくさん人がいた。なかには自分みたいによくわからない感情を抱えた人もいたのだろうけど、見つける…

鎌倉

2月にKと鎌倉へ行った。新宿から湘南新宿線に乗って鎌倉駅へ。乗り換えはせずに済んだ。休日の鎌倉は人がいっぱいいた。江ノ電に乗って一駅ごとに降りてはお店に入ってビールを飲みつつ、江の島からロマンスカーで新宿まで帰ってくるのがとても良いと思うけ…

読書/日記

その日仕事。 「空中の茱萸」(荒川洋治)を読む。 読んだそのばからもう忘れた。かといって読み返したりしない。いったいなにをしているのだろう。 詩人たちはたいへんむずかしい詩を書いていても内心は、「いつか理解されるもの」としてみる。だからだめな…

夢/厳粛な

よく晴れた寒い夜更けには「厳粛な」気持ちになる。「厳粛な」というのがどういうことなのかはまったくわからない。 青いものを見たときに青いと思うように、楽しいときに楽しいと思うように、「厳粛な」気持ちになるわけではない。「厳粛な」であってほしい…

読書家たち

本を読むのが好きで、同じような趣味の友達がほしかった。まわりに本を読む人がいなかったというわけではない。 Rくんという同級生がいて、Rくんは読書家で有名だった。小学校のときに転校してきて、髪の毛が長く、長髪の男の子はクラスにいなかったものだ…

読書/日記

その日仕事。 カーリングを観ながら図書館から借りた北村太郎「港の人」を見返したりした。 カーリングを観ていると、バーンッとやっちゃいたくてもどかしい気持ちなるけど、日本の選手たちは自分たちのスタイルというか戦術のようなものを、耐えるように我…

逃走派

星野道夫は満員電車に乗って、その後アラスカへ行ったという話をきいた。それからは、電車に乗るときはアラスカのことを考えることにした。電車の中にシロクマがいたとしたらどうしようとか、ヘラジカがいたらどうしようとかそんなことだったと思う。ヨネク…

雪が降る

東京で雪が降った。数年ぶりの大雪だった。大雪と行っても、ほかのところと比べたら大したことではないのだが、それでもたいへんな騒ぎになった。 寿司屋へ行った。カウンター席のほかには小上がりと、四人掛けのテーブル席が一つあるだけの小さな店だった…