悪い慰め

感傷癖から抜け出すためのレッスン

2019-01-01から1年間の記事一覧

日記4/3

4/3 今週はなかなか忙しい。それでも、たいした残業があるわけでもないし、はたから見ればとても楽な職場だろうと思う。こんなんでいっぱいいっぱいになっているようでは、本当にポンコツなんじゃないかと思わずにはいられない。 岩本巌『現代アメリカ文学講…

日記4/2

4/2 すべての空き巣は固有の方法を持ち、一度捕まれば痕跡はたちまち辿られてしまう悲しい技術。空き巣の悲しさはあまり儲からないということもある。 本日は仕事が忙しかった。忙しいのに、あくびがしょっちゅう出てしかたがなかった。昼過ぎからしゃっくり…

日記4/1

4/1 〈そして、僕が十六年前と同様、自己弁明のためにルソーと彼の『告白』という先例を引くのも、以前ほどの自信があってのことではないことを断っておかなければならない。なぜならば、不正をきわめてはいるが−−少なくとももっとも醜悪ないくつかの面にお…

日記3/31

3/31 土曜日、日曜日と久しぶりの連休で街へ出かける。よく歩く。本日の夕方に歩いていたら、陽はすっかり沈んでいるのに西のほうはまだ明るく東のほうはすでに暗くなっていた。ちょうど間にいるようでいつまでも間を歩いていたいと思う。たしかに休日の日は…

日記3/27

3/27 一週間くらい前に調子を崩してから生活のテンポもおかしくなってしまったよう。レイモンド・カーヴァーの「書くことについて」というエッセイのなか、〈アイザック・ディネーセンはこう言った。私は、希望もなく絶望もなく、毎日ちょっとずつ書きます、…

日記3/24

3/24 体調が悪いと弱気になる。弱気なときのほうがまわりにやさしくなれるというか、怒ったりいらだったりすることにも体力がいるのだなと思う。自分のことで手一杯でまわりにたいする反応が鈍くなっているということか。でもそれではわたしがいだく反応の多…

日記3/21

3/21 「チェーホフの距離」という文章のなかで山田稔はチェーホフの実生活における他人との距離のとりかたに触れる。 青春を犠牲にして手に入れた貴重な自由を、チェーホフは相手が社会であれ、個人であれ、頑なに守り通そうとした。自由を束縛するおそれの…

日記3/20

3/20 平日の午後、2時とかそれくらいの時間、車に乗り駅前の交差点で信号を待っているとき、外を見ていると家族連れがファミレスから出てきたりする。若い夫婦と小学生になったかならないかくらいの子供、ベビーカーに乗った赤ちゃん。 男はキャップを被って…

日記3/19

3/19 会社近くのコブシの花が枯れてきた。大きな木で、遠くからみると白いのが映えていたけど、あっという間に終わってしまう。コブシの花は傍目にはしっとりとしているようで重さを感じる。 〈わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに…

日記3/18

3/18 蚤は家を出て行く心の準備や身のまわりの整理をするようになった。“逃げられない”と思い始めた時にはむしろ家出の用意をしてみた。準備をすれば“逃げられる”と信じていいような雰囲気ができた。大祭/笙野頼子 「大祭」の主人公は辛い家から逃げ出す希…

日記3/17

3/17 昨夜は食事に出かける。ひさびさの都内。渋谷のバスロータリーのところの歩道橋が部分的になくなっていて、すっきりとした見慣れない景色になっていた。隣が近い居酒屋だと隣の話が気になって仕方がないのと、自分と同じようにこちらの話に聞き耳を立て…

日記3/15

3/15 チェーホフの本をぱらぱら見ていて、「いいなずけ」は読んでいないことがわかる。 八月十七日(火)晴朝ごはんを終えてすぐ、河口湖駅より列車便の原稿を出しに下る。主人同乗。駅から思いたって、そのまま本栖湖へ行く。ボートに乗る。岸づたいにはこ…

3/14

休みだったので、あれこれやろうと考えていたのになにもせず。チェーホフを読もうと思っていたけれど読まず。ちょろちょろオースティンのエマを読み返したりしていた。前々回の更新でミス・ベイツのことをミス・ベイズと書いていたことに気づく。良き読者に…

3/13

仕事終わりで、立川へ行く。Sと会う。Sは来るのが遅くなると言っていたのに、わたしより先に到着していた。Sを待っている間に本屋でも行こうかと思っていたけど、Sはすでに着いていたので本屋に行く理由はなくなったにもかかわらずなぜかSとともに有隣堂の方…

3/12

どこかへ行ってしまいたいなどと口ではいっても結局どこへもいかないのはわかりきったことで、わたしはいつもわたしをあまり信用していないものだからわたしもわたしに期待されていないことをすっかり気にしなくなってしまいあることないこと言ってしまうの…

日記

3/11 最近は暖かい日が多くなってきて、春が来るんだなという気分が高まる。暖かい日にわけもなく良い気分になってしまうのは、きっととても良いことで、昨年のちょうど今頃の日記にそのようなことが書いてあり、今年も同じようなことを思っている。その前の…

日記

3/10 お昼におかゆを作ったら水をいれすぎてしまいふやふやでびちゃびちゃしたものを食べるはめになってしまった。 小袋成彬『分離派の夏』というアルバムを聴いていたら夏が恋しくなってきた。今年の夏はいつもの夜道を日のあるうちに帰って遠くに入道雲を…

日記

3/8 アイロンの当て布が破れてしまったので仕事帰りに百均による。帰りにどこそこへ寄っていこうと仕事中によく思うもののいざ帰宅時間になると疲れてしまいどこかへ寄っていくなんてことは一ミリも考えられなくなってしまうのだけど、もうしばらく前から当…

日記

3/7 休みなのでなにかしたいけれどなにもすることが思いつかず、本など読んで過ごす。一日まったく家から出ないのも不健康だと思うものの近所の図書館くらいしか行くところはなくそれでも家にいるよりかは良いだろうと思ったところで休館だということを思い…

読書日記

3/6 朝、妹から「生きてる?」とLINEが来る。週末に顔を合わせたばかりだというのに数年ぶりの友人にメッセージを送ってみたという感じで、変だと思い無視しているとその後もスタンプやら送ってくるので、もしかしたら家の近くでなにか事故だか事件だかが起…

日記

3/5 いい天気だった。暖かくて、今日のような日にはそのたびに逃避行の夢をみる。 夢といっていいのか、白昼夢というほど体験的なものではなくてほんのちょっと隅のほうをかすめるのは断片で画なのか観念なのか区別がつかないから、思い出そうとしてもただい…

お見舞い

お見舞 Sのお見舞いへ行く。盲腸の手術のためで、数日もすれば退院できるらしい。行かなくても良いような気もしたけど、休みだったので行くことにした。なにか持っていこうと思った。盲腸の人に食べ物は持っていかないだろう。他には本くらいしか思い浮かば…

日記

レイモンド・カーヴァー『頼むから静かにしてくれ〈1〉』を読む。 「寡黙な」というのはひとつの積極的な態度だ。全く動かないのに能動的であることはよくある。この短編集に出てくる寡黙な人たちはみんなそういった選び取った態度としての寡黙ではなくて投…

日記

2019/02/14 仕事。 午後は車のなかで人を待っているだけで過ぎた。 車は駅前の通りに止めていて、下校途中の高校生がおおぜい通り過ぎていった。 女子生徒たちがみんな手頃な大きさの紙袋を持っていて今日がバレンタインデーだということ思い出す。ちかごろ…

日記

2019/02/12 仕事。 仕事中に西村賢太「春は青いバスに乗って」を読んだ。バイト先での暴行事件で留置所に入ったことを書いている。 同部屋の留置人との友情というほどでもないような関係で、主人公の「私」は彼らからの恩を返そうとおもうのだけど思うように…

日記

2019/02/11 休み。昨日と、今日と休み。昨晩は八王子へいった。ひさしぶり。古本屋で散財したあと、沖縄料理のお店へ行く。となりでおじいさんが飲んでいて、常連らしく沖縄が郷里のようだった。寺山修司を読んでいたので変な想像がふくらんだ。郷里から遠く…

日記

2/06 仕事。 とくになにもしないまま時間が過ぎてしまった。 なにも積み重ねることができず、日々最初からやりなおしている気がする。 本は少しだけ読む。1日がとても軽い。昨日と今日、明日、それぞれの1日の繋がりが薄い。 良いことか悪いことか、わから…

いつかの日記(だったもの)

無職の思い出 2015/11/12~2016/1/7 池袋東口を日付が変わる少し前に出発してお台場海浜公園まで歩いた。雑司が谷霊園と武道館を経由。所要時間は約7時間だった。 映画 新宿で「ホワイト・ゴッド」という映画を観た。犬がたくさん出てきてよく走る。愉快で…

日記

2019/01/28 仕事。 サボっていることについて、上司がいくらか気にかけているかもしれない。怒っているとか、そのことを理由に脅かしてやろうとかいうのではなく、わたしと上司とさらにその上司との微妙な関係性のなかでの微妙な気にされかたといえばいいか…

日記

2019/01/24 図書館へいく。何冊か本を借りる。そのなかの一冊。鹿島茂『成功する読書日記』(文藝春秋)。なんとも微妙なタイトル。この成功というのは、読書日記を継続的に続けることができるようになる、の成功。前半は読書日記をつけるコツで、後半は著者…